食べ物や飲みものの安全性は気になりますよね。
豆乳は特に子供も飲むものなので、
賞味期限や傷みやすさだけでなく、
変な添加物が含まれているかどうか?
も大事なポイントです。
無調整豆乳や調製豆乳、豆乳飲料に含まれる食品添加物と、その役割や安全性を見ていきます。
食品添加物とは?
まずは、そもそも食品添加物とは何か?
についてみていきます。
食品衛生法によると、
「食品添加物」とは食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの
と定義されていました。
食品添加物は人工的な成分をイメージしますが、天然成分か、人工的に合成したのかは問わないのがポイントです。
味の調整、加工、保存などに使う調味料や保存料、着色料などを全て食品添加物と呼びます。
豆乳を定義しているJAS規格
豆乳には無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料という3種類があります。
それらの違いは、農林水産省が定めるJAS規格という規格で決められています。
豆乳に加えてよい食品添加物についても、JAS規格に記載があります。
各社は豆乳を売るにあたって、JAS規格を守る必要があるんですよ。
無調整豆乳の添加物は?
まずは無調整豆乳の添加物に関するJAS規格から見ていきます。
無調整豆乳に関するJAS規格の記載
以下は無調整豆乳に関するJAS規格の抜粋となります。
大豆たん白質含有率
3.8%以上であること。
原材料(食品添加物以外の原材料)
大豆以外のものを使用していないこと。
原材料(食品添加物)
使用していないこと。
調製豆乳に含まれる食品添加物
原材料については、
大豆のみしか使っていけない。
食品添加物は使用していけない。
という決まりがあることがわかります。
仮に大豆以外の何かを加えてしまうと、無調整豆乳として販売できません。
そのため、
という方は、無調整豆乳を飲ませると安心です。
無調整豆乳には食品添加物が一切含まれない
調製豆乳の添加物は?
次に調製豆乳の添加物に関するJAS規格を見ていきます。
調製豆乳に関するJAS規格の記載
調製豆乳は、無調整豆乳を飲みやすくするために味が調整された豆乳です。
味付けに使う調味料なども食品添加物に該当します。
つまり、味付けに使ってよい食品添加物はJAS規格にて決められています。
大豆たん白質含有率
3.0%以上であること。
原材料(食品添加物以外の原材料)
次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1 大豆及び脱脂加工大豆
2 食用植物油脂
3 調味料
砂糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、砂糖混合高果糖液糖、ぶどう糖、水あめ、乳糖、麦芽糖、蜂蜜及び食塩
原材料(食品添加物)
次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1 消泡剤
シリコーン樹脂
2 pH調整剤
炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムのうち1種
3 品質改良剤
乳酸カルシウム
4 乳化剤
グリセリン脂肪酸エステル、植物レシチン及びソルビタン脂肪酸エステルのうち2種以下
5 糊料
カラギナン及びペクチンのうち1種
6 香料
調製豆乳に含まれる食品添加物
上に記載したJAS規格によると、調製豆乳の味付けに使ってよいのは食用植物油脂、砂糖や蜂蜜などの甘み成分、食塩となります。
そして、調製豆乳には味付け以外の食品添加物も加えてよいことも記載されていました。
それぞれの添加物の役割を見ていきます。
1 消泡剤
消泡剤は、豆乳に泡ができるのを防ぐために添加される添加物です。
JAS規格にはシリコーン樹脂のみ使ってよいことが記載されていました。
シリコーン樹脂の正式名称は「ポリジメチルシロキサン」。
ポリジメチルシロキサンは、胃カメラを入れる前に胃の泡を抑えるなど、医療用途としても活用されています。
医療用途は食品用途よりも厳格な審査を通過しないと使うことができません。
そのため、安全性は高いと考えられています。
2 pH調整剤
pH調整剤を入れることで酸性やアルカリ性に調整することができます。
豆乳の場合は炭酸水素ナトリウムなどを入れてよいとあります。
炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性の成分なので、豆乳をアルカリ性にするために用いられるようです。
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3 品質改良剤
品質改良剤はその名の通り、品質を改良するために入れられます。
豆乳の場合に入れてよいのは乳酸カルシウム。
乳酸カルシウムは、食品のカルシウム分を補充するために使われます。
牛乳よりカルシウム含有量が劣るので、乳酸カルシウムを加えてもよいですよ。
ということかと思います。
4 乳化剤
乳化剤は水と油を混ざるようにする作用があります。
乳化剤としてよく使われる植物レシチンは大豆から抽出されます。
5 糊料
糊料は食材に粘りをつけるために使用されるので増粘剤とも呼ばれます。
糊料の代表的なものはカラギナン。
紅藻類から取れる粘り成分です。
カラギナンについて原材料や安全性等の詳細はこちらの記事をご覧ください。
6 香料
豆乳に香りを付け足す食品添加物です。
フレーバーともいいます。
豆乳の大豆臭を抑えるために使用されます。
豆乳飲料の添加物は?
最後に豆乳飲料の添加物に関するJAS規格です。
豆乳飲料に関するJAS規格の記載
豆乳飲料は調製豆乳をさらに飲みやすくするために、コーヒーやバナナなどの豆乳以外の味つけをした飲み物です。
JAS規格はいかのとおり。
大豆たん白質含有率
1.8%以上であること。
原材料(食品添加物以外の原材料)
次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1 大豆、脱脂加工大豆及び粉末大豆たん白
2 食用植物油脂
3 調味料
砂糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、砂糖混合高果糖液糖、ぶどう糖、水あめ、乳糖、麦芽糖、蜂蜜及び食塩
4 風味原料
果実の搾汁、野菜の搾汁、コーヒー、ココア、牛乳、粉乳、穀類粉末、抹茶並びにこんぶの粉末及び抽出濃縮物
5 香辛料
原材料(食品添加物)
次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1 消泡剤
シリコーン樹脂
2 pH調整剤
炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウム
3 品質改良剤
乳酸カルシウム
4 乳化剤
グリセリン脂肪酸エステル、植物レシチン、ショ糖脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルのうち2種以下
5 酸味料
クエン酸
6 糊料
カラギナン及びペクチン
7 甘味料
ステビア抽出物
8 着色料
カラメルI、カラメルIII、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素、ベリー色素及びβ―カロテンのうち2種以下
9 香料
豆乳飲料に含まれる食品添加物
調製豆乳で認められている食品添加物に加えて、
4 風味原料、5 香辛料(酸味料、甘味料、着色料)
などが追加されています。
まとめ
豆乳に含まれる添加物をみてみました。
調製豆乳と豆乳飲料には少なからず添加物が含まれます。
添加物が気になるようであれば、大豆のみで作られた無調整豆乳を飲むと良いですね。