食品の成分表示欄にたまに記載されている食品添加物の「カラギナン」。
調製豆乳にも含まれていることがあります。
カラギナンとは何でしょうか?
カラギーナンの原料
カラギナンが含まれる食品の例
カラギナンの安全性
カラギナンとは?
カラギナンは食品添加物の一つです。
主に加工食品や乳製品、飲料などに使用されています。
増粘剤とは
カラギナンは食品に少量添加することで、食材に粘りをつけるために使用されます。
糊料とも呼ばれます。
安定剤とは
安定剤は、
食品を長期保存しても成分を均一に安定させる
といった効果を得るために使います。
ゲル化剤とは
カラギーナンには、液体のものをゼリー状(ゲル状)に固める働きがあります。
カラギナンを牛乳などに加えるとタンパク質と反応してゲル状に変化します。
ということはゼラチンもカラギナンの仲間?
カラギーナンの原料
カラギーナンの原料
カラギナンの原料は「紅藻類」です。
紅藻類は沿岸岩礁域に生育する赤い色をした藻です。
イバラノリ属、キリンサイ属、ギンナンソウ属、スギノリ属、ツノマタ属などの紅藻類から得られる多糖類がカラギナンになります。
カラギナンの由来
カラギナンは数百年前にアイルランドのCarragheenという街で発見されました。
なお、当初はアイリッシュモス(Irish moss)という紅藻類の海藻から作られていたため、カラギナンのことをアイリッシュモスと呼ぶこともあります。
寒天とカラギーナン
寒天の原料は天草(てんくさ)です。
天草も紅藻類の一つ。
つまりカラギナンの親戚といえます。
同じ紅藻類ですが、使われる藻の種類や製造条件により増粘剤としての粘度などが異なります。
カラギナンの種類は?
カラギーナンは、硫酸基をもつガラクトースといった構成の水溶性多糖類の一種です。
見た目は白い粉末状。
臭いはほとんどありません。
製造条件や原料となる藻の種類によってガラクトースにつく硫酸基の位置や数が変わります。
工業的には、カッパ、イータ、ラムダという3種類に分けられ、それぞれ粘度などや反応性が変わってきます。
カラギナンが含まれる食品は?
カラギーナンは植物由来の増粘安定剤として加工食品を中心に広く使われています。
いくつか具体例をみていきます。
食べ物
ハムやコンビーフなどの加工肉
ゼリー、プリン、アイスクリームなどのコンビニのデザート
ドレッシングやソースなどの調味料
飲み物
調製豆乳、豆乳飲料、ビール、ジュースなど
食品以外
シャンプー、芳香剤、歯磨き粉、消火器など
カラギーナンの安全性は?
カラギナンは紅藻類から抽出した成分ですが、発がん性物質が含まれているのではないかという研究発表もあるようです。
とはいえ、上述のとおりヨーロッパを中心に数百年使われていますが、カラギナンを増粘安定剤として使ったことによる健康被害の実例は確認されていません。
また、先程寒天の天草がカラギナンの親戚と書きました。
寒天は日本古来の食べ物。
そうなった理由は日本の近海で天草が採れたからです。
同様にヨーロッパの近海でもカラギナンの原料となる紅藻が採れたので、ヨーロッパではカラギナンが広まりました。
カラギナンに発がん性があるならば、同じ藻が原料の寒天にも発がん性の話が出ても良いように思います。
しかし、寒天は逆にがん予防にもなるそうです。
そのため、私はカラギナンの発がん性についてそこまで気にすることはないと思っています。
目を皿のようにして食品の成分表を見て、
といったことをする必要はないのではないでしょうか。
まとめ
食品添加物であるカラギナンについてご紹介しました。
アイスから消化器まで、身の回りのいたる所に利用されています。
なお、カラギナンは、入れてよい添加物が法律で決められている調製豆乳の数少ない添加物の一つでもあります。