同じ大豆製品の豆腐や納豆は食べられるから大豆アレルギーはないのに、豆乳の時だけ突然アレルギー症状が現れることがあります。
豆乳アレルギーの原因
豆乳だけ現れる理由
豆乳アレルギーの症状
大豆アレルギーを持っていない人であっても、豆乳を飲むとアレルギー反応が出ることがあります。
赤み
唇の腫れ
じんましん
呼吸困難
アナフィラキシーショック
など
豆乳を飲んで上記のアレルギー症状が現れた場合、飲むのをやめて医師に相談しましょう。
食物アレルギーは2種類ある!
食物アレルギーには2種類あります。
それぞれ、
クラス1食物アレルギー
クラス2食物アレルギー
と呼びます。
クラス1食物アレルギーとは
クラス1食物アレルギーは、卵、牛乳、大豆などの一般的なアレルギー反応です。
たんぱく質を含む食品を食べると、身体が一部のたんぱく質を異物として認識し、自分の身体を防御するために過剰な反応を起こすことがあります。
この状態がクラス1食物アレルギーです。
クラス2食物アレルギーとは?
今回の豆乳アレルギーはクラス2食物アレルギーとなります。
クラス2食物アレルギーは、花粉症などに伴うアレルギー反応です。
花粉症は一定量の花粉が体内に蓄積されると発症し、花粉を異物と認識して過剰な反応を起こします。
花粉症になった人が花粉症の原因となる花粉と類似した分子構造のたんぱく質を持つ食品を食べた場合、体は花粉が来たと勘違いして同じように過剰な反応を起こしてしまいます(交差反応といいます)。
交差反応は特に口腔粘膜で発症するため、口腔アレルギー症候群とも呼ばれています。
豆乳アレルギーの原因物質
大豆に含まれるたんぱく質(Gly m 4)は、カバノキ科の花粉に含まれるたんぱく質(PR-10)と構造が似ています。
カバノキ科で有名なのは、
木材のシラカバやハンノキ
ナッツが取れるセイヨウハシバミ
などがあります。
カバノキ科の花粉が飛ぶのは春。
スギ花粉と同じ時期です。
豆乳のみにアレルギー反応が出る理由
国民生活センターによると、豆乳アレルギーが出ても豆腐や納豆、味噌などは問題なく食べられるケースが報告されています。
理由① 製造工程が単純
理由の一つに、製造時の工程数があげられます。
豆乳は大豆を絞っただけです。
工程数的に見るととても単純作業となります。
一方で味噌や納豆は煮たり発酵させたりと複数の工程を経て作られます。
大豆たんぱく質に含まれるGly m 4は加熱や発酵などの処理をすると分子構造が変わりやすい性質があります。
加工によりカバノキ科の花粉に含まれるたんぱく質(PR-10)と異なる分子構造になるため、発酵食品である味噌や醤油ではアレルギー反応が出にくいと考えられています。
また、調製豆乳は大丈夫だけど、無調整豆乳だと豆乳アレルギーが発生する、
といったケースもあります。
この理由も、製造工程数が影響していると思います。
調製豆乳は味付けをする際に温度を高めたりするため、無調整豆乳よりも製造工程数が増えるため発症しづらいと考えられます。
理由② 吸収しやすい
豆乳は絞る際に食物繊維が潰れるため栄養を吸収しやすい利点があります。
その結果、大豆たんぱく質に含まれるGly m 4も吸収しやすくなり、豆乳アレルギーの発症率が上がると考えられています。
豆乳以外の食材でもアレルギー反応がでることも
豆乳アレルギーは、大豆のたんぱく質がカバノキ科の花粉に含まれるたんぱく質(PR-10)と似ていることが原因でした。
大豆以外にもバラ科の果物にも同様の分子構造を持つ成分が含まれています。
そのため、豆乳アレルギーと同様の症状が発生することがあります。
サクランボ
モモ
ナシ
ビワ
など
上記果物を食べて口の中にかゆみや腫れなどが出た場合も、カバノキ科の花粉症が原因と考えられます。
アレルギー反応が出た場合は医師に相談しましょう。
また、豆乳アレルギーの症状は出ていないけど上記果物を食べたら症状が出た場合、
豆乳アレルギー予備軍の可能性があります。
豆乳を飲むときは症状が出ないか様子を見ながら少しずつ飲むことをおススメします。
まとめ
大豆アレルギーではなくても豆乳アレルギーが発生しうることをご紹介しました。
無調整豆乳で豆乳アレルギーが出ていても、調製豆乳だと大丈夫といったこともあります。
しかし、アレルギー反応が出た時点で一度医師に相談しましょう。